今回紹介するのは長野県の上高地にある徳沢キャンプ場。(公式サイトはこちら)
徳澤園という上高地バスターミナルから徒歩2時間かかる宿泊施設に併設されているキャンプ場です。
今回はそんなキャンプ場にお邪魔しました。
ここのキャンプ場は車では行けず、移動手段は徒歩だけ!
徳沢キャンプ場はアルプスの山々へチャレンジする人の通り道にあります。
今回はそんな秘境にあるキャンプ場をご紹介してきます。
徳沢キャンプ場の基本情報
住所
徳沢キャンプ場(徳澤園)の住所は「長野県松本市上高地」です。
車で行くことができず、人が住むような場所でもないので番地などは存在しないのでしょう。
アクセス
アクセスは私が行ったキャンプ場史上一番困難でした。
まず、上高地へは通年マイカーでのアクセスが規制されています。
これは自然豊かな上高地の自然を保護するためです。
そのため、上高地へはシャトルバスもしくはタクシーの利用でしか行くことができません。
車で行きたい場合は沢渡駐車場(駐車料金は1日700円)もしくはあかんだな駐車場(駐車料金は1日600円)まで行き、そこからシャトルバスかタクシーでの移動となります。
沢渡駐車場
あかんだな駐車場
今回は実際に私が行ったアクセス方法をご紹介します。
実際に私が移動した徳沢キャンプ場までの流れは次の通りです。
- 松本駅まで行く
- 松本電鉄上高地線で新島々駅に行く
- シャトルバスで上高地バスターミナルに行く
- 上高地バスターミナルから徳沢キャンプ場まで歩く
より具体的に説明していきます。
①松本駅まで行く
まずは、長野県にある松本駅まで移動します。
大阪・名古屋・東京など都心からアクセスする場合は名古屋からJR特急しなので松本駅までいくのがおススメです。
②松本電鉄上高地線で新島々駅に行く
松本駅に行くと、松本電鉄上高地線で「新島々駅」にいく電車があるのでそれに乗ります。
この時、松本駅から新島々駅はICカードが利用できません。
必ず、券売機で切符を購入してください。
切符を購入するときに一つポイントがあります。
それは、「シャトルバス分までまとめて購入する」ことです。
券売機では「上高地バスターミナル」までの切符が購入可能です。
なので、切符を購入するときはバス代も含んだ切符での購入をお勧めします。
目的地の新島々駅でもバスの切符は購入可能ですが、バス停には非常に多くの人が並んでいました。
新島々駅で購入しているともしかしたら目的のバスに乗れない可能性があるので松本駅でまとめて購入しておくのがおススメです。
③シャトルバスで上高地バスターミナルまで行く
新島々駅まで行くとあとはシャトルバスに乗るだけです。
バス停は駅を出て正面にあります。
他の場所に行くバスもあるので分からない場合は駅員さんなどに聞くのが無難です。
駅員さんやアルピコ交通の方が駅には複数人いたのでどなたかに確認するようにしましょう。
④上高地バスターミナルから徳沢キャンプ場まで歩く
最後はバスターミナルから徒歩になります。
距離は約7kmあり、徒歩で約2時間はかかります。
景色を楽しみながら向かうとすればさらに時間がかかりますので時間は余裕を見ておいた方がよいです。
徳沢キャンプ場までの道中は景色が非常によく、景色を楽しみながら向かうのがおすすめです。
道中のスポットなどもご紹介したいのですが、記事が長くなってしますのでそちらは別の記事で紹介できたらと思います。
キャンプのプランは2つだけ!
徳沢キャンプ場には2種類のキャンププランがあります。
- フリーサイト
- ぶらキャン
今回私が利用したのは「ぶらキャン」と呼ばれるプランです。
また、フリーサイトは正式にはこのような名前では記載されていません。
キャンプ場のサイトは一つのため公式サイト等はキャンプ場としか記載されていません。
今回はより区別しやすくするために「フリーサイト」の名称で呼びます。
ぶらキャンって何?
ぶらキャンというワードが聞きなれない方もいると思うので軽く説明しておきます。
詳しい内容は後述しますので、興味出た方はそちらもご覧ください。
キャンプ場まで数時間も歩く必要があるため、キャンプギアをもって行くのは大変、、、。
というかたのおススメのプランです。
テントや寝具が準備されており、夕食と朝食もついたプランになります。
私の感覚としては「自分でギアを持っていくキャンプとグランピングの間」のようなキャンプ形態です。
ぶらキャンの公式ページもありますので興味が出た方は一度見てみてください。(公式サイトはこちら)
徳沢キャンプ場(徳澤園)のマップ
徳沢キャンプ場(徳澤園)の全貌をご紹介します。
簡易マップを作成してみました。
キャンプスペースは受付のある建物の正面にあります。
今回私がお邪魔したぶらキャンはキャンプスペースの横に隣接してます。
少し離れた「徳沢ロッジ」にはお風呂があり、ぶらキャン使用者などは利用可能です。
また、トイレ・炊事場・レストラン・ショップなど、登山者も多く訪れる場所なので施設は非常に充実しておりきれいな建物ばかりです。
レンタル品は何がある?
徳沢キャンプ場はギアのレンタルもあります。
フリーサイトを利用したいがギアを持っていくのはちょっと、、、。
という方はレンタルを利用しましょう!
レンタルできるギアは次の通りです。
- テント
- シュラフ
- 毛布
- マット
レンタルテント数には限りがあります。
レンタルテントに関しては予約サイトがあるのでそちらで事前に予約しておくのがおすすめです。
料金体系
フリーサイト
フリーサイトの料金体系は次の通りです。
記載料金は税込み価格です。
利用形態 | 料金 |
---|---|
幕営代 | 大人:1500円 小人(小学生まで):1000円 3歳児以下無料 |
空天代(テントを張ったまま山行し、翌日以降に戻る) | 1泊:1000円 |
デイキャンプ | 1日:500円 |
フリーサイトは通年で同一価格になっています。
また、テント持ち込みの方は事前予約は不要!
ぶらキャン
ぶらキャンは大人・子供の人数ごとに料金設定がされています。
プラン | 利用人数 | 設備 | 料金 |
---|---|---|---|
A | 大人:2名 | テント:1張 コット:2つ | 通常日料金 大人1名:17,000円 休前日・特定日料金 大人1名:19,000円 |
B | 大人:1名 小人:1名 | テント:1張 コット:2つ | 通常日料金 大人1名:17,000円 小人1名:15,000円 休前日・特定日料金 大人1名:19,000円 小人1名:16,000円 |
C | 大人:3名 | テント:1張 コット:3つ | 通常日料金 大人1名:15,000円 休前日・特定日料金 大人1名:17,000円 |
D | 大人:2名 小人:1名 | テント:1張 コット:2つ マット:1つ | 通常日料金 大人1名:15,000円 小人1名:13,000円 休前日・特定日料金 大人1名:17,000円 小人1名:14,000円 |
E | 大人:2名 小人:2名 | テント:2張 コット:4つ (各テントにコット2つ) | 通常日料金 大人1名:17,000円 小人1名:15,000円 休前日・特定日料金 大人1名:19,000円 小人1名:16,000円 |
F | 大人:2名 小人:2名 | テント:1張 マット:4つ | 通常日料金 大人1名:14,000円 小人1名:12,000円 休前日・特定日料金 大人1名:16,000円 小人1名:13,000円 |
G | 大人:2名 小人:3名 | テント:1張 マット:5つ | 通常日料金 大人1名:13,000円 小人1名:11,000円 休前日・特定日料金 大人1名:15,000円 小人1名:12,000円 |
H | 大人:1名 | テント:1張 コット:1つ | 通常日料金 大人1名:25,000円 休前日・特定日料金 大人1名:27,000円 |
幼児は1名につき1,000円となります。
この料金は食事代を含んだ料金です。
ぶらキャンは事前予約必須です。
予約後のキャンセルは次の通りです。
予約日から何日前か | キャンセル料 |
---|---|
1週間前 | 無料 |
3日前まで | 利用料の50% |
当日まで | 利用料の100% |
レンタル品
レンタル品の料金体系は次の通りです。
レンタル品 | 料金 |
---|---|
テント | 1張:8,000円 |
シュラフ | 2,000円(+シーツ代100円) |
毛布 | 500円(+シーツ代100円) |
マット | 400円 |
各プランをより詳しく解説
次に、各プランをより詳しく解説していきます。
フリーサイト
フリーサイトは徳沢園内にある受け付けの正面にあります。
テントを設営できる範囲は非常に広く隣の人とテントが近すぎる。といったことは少なくとも私が行ったときにはなさそうでした。
山頂へトライする人が前泊としてこのキャンプ場を使用している方が多く感じました。
なので、テントも登山用のコンパクトで軽いテントを使用している人が多かったです。
受付は徳澤園入り口で行います。
チェックインを済ませるとキャンプ場の利用期間を記載したボードをもらうのでテントの外側(外から見えるとこと)に取り付けます。
チェックアウト時はそのボードを受付にある返却口に入れます。
ぶらキャン
ぶらキャンは先にも説明した通り、ほぼ手ぶらでキャンプができる新時代の山岳キャンプです。
受付は徳澤園にあります。
徳澤園入り口でスタッフで「ぶらキャンで予約している」旨を説明すると受付用紙をもらえるのでスタッフの説明に従ってチェックインをします。
チェックインを済ませると、下の写真のような案内が貼られたケースをもらいます。
ケースの中には次のアイテムが入っていました。
- ぶらキャンを利用するにあたってのお願いが記載された紙
- 徳沢キャンプ場の地図
- ぶらキャン利用パス(首からぶら下げるカード)
- 徳澤園内のトイレ用の鍵
- モバイルバッテリー
お願いが記載された紙は必ず一読しておきましょう。
ぶらキャンの利用パスは常時首から下げておくようにしましょう。
これがあることで通常有料の徳澤園内のトイレを無料かつ24時間利用できます。(通常利用時間外は同梱されている鍵を使用)
また、「TOKUSAWA-BASE」も無料で使用することができます。
徳沢ロッジ内のお風呂も優先的に入れたりとメリットが非常にあるカードです。
モバイルバッテリーはご自身の形態の充電はもちろん、テント内のランタンを付けるためにも使用します。
次にぶらキャンのギアをご紹介していきます。
テント
テントはTHE NORTH FACEの「Geodome」と呼ばれるドームテントです。
テントは常設されており合計で6張ありました。
中は広く、大人2人なら荷物を置けるくらいには十分に広いサイズ感でした。
テント内にはポケットや服を干せる紐があり、地味に嬉しいポイントでした。
テーブル・チェア
テントの外にはテーブルと人数分のチェアが置かれていました。
こちらもTHE NORTH FACEのアイテムでした。
テーブルは「TNFキャンプテーブル」、チェアは「TNFキャンプチェア」です。
寝具関係
テント内に入ると寝具などは一式揃っていました。
今回私は大人2名で利用したのでその時の寝具をご紹介していきます。
寝具一式は以下の感じです。
アイテムは、コット・シュラフ・枕・毛布・シーツです。
コットはHelinoxで寝袋はNANGAでした。
室内のアイテム
室内にもいくつかのアイテムがありました。
まずはBarebonesのランタン。
そしてYETIのバケツ
中には「電池、双眼鏡、消毒液、殺虫剤」が入っていました。
あとは、写真撮り忘れましたが室内にもテーブルがありました。
ご飯
ぶらキャンは夜ご飯・朝ごはんがセットになったプランです。
晴れの日はテントの横で、雨の日は「TOKUSAWA-BASE」でご飯を食べます。
夜ご飯は「17:35~」、朝ごはんは「7:45~」です。
食事をする場所で集合になるので時間までに指定の場所に行くようにしましょう。
私が行った時の夜ご飯は、
- サラダ
- タンドリーチキンとジャガイモのチーズかけ
- カレー
- デザート(スイカ)
「タンドリーチキンとジャガイモのチーズかけ」は2種類から選べるメニューのうちの一つです。
選択肢としてはこれと「信州サーモンと森のキノコのアヒージョ」がありました。
これは予約時に選択します。
朝ごはんは
- おにぎり(2個)
- ソーセージ
- オムレツ
- +α
でした。
メニューすべて覚えておらず覚えていたメニューだけ記載しました。
他にももう少しあった気がします、、、。すみません、、、。
朝ごはんは山頂を目指す方など朝が早い人向けにお弁当に変更することもできるそうです。
チェックイン時に聞かれるのでどちらがよいか事前に考えておくとよいと思います。(17時までにスタッフに申し付けると変更可能です。)
周辺施設
徳澤園にある周辺施設を次にご紹介していきます。
徳澤園
ここがメイン施設です。
キャンプの受付と宿泊施設があります。
TOKUSAWA-BASE
「TOKUSAWA-BASE」はぶらキャン利用者・徳澤園宿泊者が利用できる施設です。
キャンプ場をご利用の方は利用できないのでご注意ください。
施設内にはボルダリングウォールや調理設備、カウンター、本があり雨の日でもゆっくりとした時間を過ごすことができます。
ぶらキャン利用の方は雨の日のご飯はここで食べることになります。
(晴れの日はテントの外にあるテーブルとチェアで食事を楽しみます。)
みちくさ食堂
徳澤園の横には「みちくさ食堂」というお店があります。
ここはカフェと食堂をかねてます。
カフェは7:00-19:30、食事は7:30-14:00ラストオーダーで営業しています。
ここのコーヒーソフトは格別においしかったです。
ショップ
みちくさ食堂と徳澤園の間にちょっとしたショップが併設されています。
せっかく徳沢まで来たので記念に何か買ってもよいですね。
キャンプで使えそうなアイテムもいくつかありました。
トイレ
施設内には1か所トイレがあります。
利用可能時間は24時間ではないのですが、ぶらキャン利用者は24時間利用可能です。
チェックイン時にトイレのカギをもらえます。
少し南に歩くと徳沢ロッジの向かいにもトイレがあります。
こちらは24時間利用可能で利用料金も発生しません。
炊事場
炊事場は施設内に1か所です。
井戸水を汲んだ水なので、井戸水に抵抗がある方は多めに水を持っていくことをお勧めします。
炊事場は飲料水・炊事用のところと手洗い・食器洗い用のものと、2種類あり蛇口は合計6個あります。
徳沢ロッジ
徳澤園から3分ほど歩くと徳沢ロッジという別の宿泊施設があります。
ここはお風呂があり、キャンプ場利用者は皆さんここのお風呂を利用していました。
ぶらキャン利用者はカードを持っていくと混んでいた場合でも優先的に入れさせてくださるようです。
お風呂の営業時間は20時までなので注意ください。
お風呂にはシャンプー・リンス・ボディソープなど備わっていたので別で持ってくる必要はありませんでした。
自動販売機
施設内には自動販売機もあります。
お店の営業時間後に飲み物が欲しくなっても安心です。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回は徒歩でしか行けない秘境のキャンプ場にお邪魔しました。
普段のキャンプとは違いコンパクトにザック一つで行くキャンプはロマンが詰まっていました。
「ザックだけで行くキャンプはハードルが高い、、。」という方でも「ぶらキャン」というほぼキャンプギアをもっていかずに楽しめるプランもあるのでそこまでハードル高くなくいけるのかなと思います。
私も実際にぶらキャンをしてみてその魅力にはまってしまいました。
バスターミナルからは自分の足だけを信じて外灯も信号も何もない道を進む楽しさ。
猿や熊などの野生生物と共存している山の中で都会の喧騒を忘れる時間を過ごすのは日常から離れたまるで別世界のようでした。
目の前にはすぐそこに日本アルプスの山々が360度広がっているのは圧巻です。
ぜひ、この景色のなかでキャンプをしてみませんか?